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『平等から公平へ』 土木学会の勉強会で話をさせて頂きました

私たちの生活を支える社会基盤である土木。今年110周年を迎える土木学会で、先月、初めての女性の会長が誕生しました!新会長に因んだプロジェクトの一環で開催された勉強会で話をさせていただきました。キーメッセージは、『平等から公平へ』。勉強会では多くのポジティブなフィードバックをいただき、今後の変革が楽しみです!

 

勉強会のメインテーマは、Equityの意義と重要性。私がDE&Iについて話をする際は、私たちを取り巻く現状をデータで客観的に示すようにしています。今回も、G7における日本の状況を示す8つの指標値をもとに、日本の現状を説明しました。今年の日本のジェンダー・ギャップ指数は、146か国中118位。昨年の125位から改善したものの、依然として低い状況です。私は、DE&Iの遅れが、経済力の低下、少子化、および、幸福度の低下など多面的な影響を及ぼしていると感じています。

 

Equityについては、「The Giving Tree」のグラフィックデザインを使って説明しました。この説明は非常にわかり易いと高評価を頂いています。その上で今回は、マジョリティ側が、自分たちが履いている見えないゲタに気づくことの大切さをお伝えしました。「マジョリティ側が履いている見えないゲタ」って、何のことだかイメージできますか?

 

右利きと左利きを例にとってお話しましょう。日本では9割の人が右利きで、圧倒的なマジョリティです。ですから、私たちの身の周りのものは、右利きを前提としてつくられているものが殆どです。例えば、駅の自動改札機。殆どの人がSuicaを自動改札機にタッチしますが、タッチする場所が右側にあるか左側にあるか気にしたことはありますか?実際には、必ず右側です。そして、左利きの人にとっては、右側のタッチは使い難く、日々、不便な思いを感じているのです。9割の右利きの人たちは、そのようなことを意識したこともないと思いますが、これは、マジョリティ側である右利きの人たちが見えないゲタを履いているということなのです。

 

社会はマジョリティ側の思想で創られていることが多いので、マイノリティー側にとってはスタート地点から平等でないことが少なくありません。こういったことにマジョリティ側が気づくことが、Equityの実践につながっていくのですね。

 

※画像は、土木学会のサイトより

 

kaoru.chujo@sowinsight.com (中条 薫)

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