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VR体験を活用したアンコンシャス・バイアス研修

東京大学との連携プロジェクトとして進めてきたVR(Virtual Reality)技術を活用したアンコンシャス・バイアスへの取り組みで得られた知見をもとに、現在、パートナー企業様と連携して実用化に向けた取り組みを進めています。その一環で、今月、5回にわたり、VR体験を活用したアンコンシャス・バイアス研修のトライアルを実施しました。

 

近年、リモートワークを取り入れた働き方が浸透しつつあり、柔軟で効率的な働き方ができるようになった一方で、対面でコミュニケーションをする機会が減ったことによる課題も生まれてきています。全ての人が持つアンコンシャス・バイアスに気づき、低減に向けた取り組みを進めることは、ダイバーシティ推進に不可欠なだけでなく、組織の心理的安全性を高め、一人ひとりが自分らしく活躍するためにも欠かせません。

 

今回のトライアル研修に参加いただいた方々を通じて、現実の世界では経験することが難しい2者の視点をVR技術を活用して擬似的に体験し、その体験を踏まえて対面でディスカッションを行うことが、効率的に多くの気づきを生むことを改めて実感させていただきました。以下に、研修の概要と参加者の方々から寄せられた感想を共有したいと思います。

 

研修の概要

研修は、下記の流れで進めました。

  • オープニング:研修目的の共有とアイスブレーキング
  • アンコンシャス・バイアスの理解:アンコンシャス・バイアスに関する知識を学習
  • VR体験:自身がVR体験を行うとともに、他者の体験を観察
  • グループディスカッション:VR体験による気づきの共有と身近な課題に関するディスカッションを実施
  • 明日へのアクションを共有:研修を通じた学びや明日へのアクションを全員で共有

 

東京大学との連携プロジェクトで、VR体験を活用した研修を行う際にポイントとなる2つのことは、

  • 2者の視点を疑似的に体験すること
  • インタラクティブな体験を行うこと

であることが明らかになっていることから、今回のVR体験でも、下記のように両方の体験を盛り込みました。

 

<上司視点での体験>オフィスで仕事をしている中で、子育て中の部下が、子供が熱を出したため急ぎ帰宅しなければならないと申し出てくる。子育て中の社員が帰宅した後で、その社員のクライアントからの緊急の対処依頼が発生する。自身の上司に相談するも、生憎時間が無いとのことで対応を任される。自分で対応を試みたが、自身も打ち合わせが詰まっているため対応が出来ずに、止む無く帰宅した子育て中の部下にメールで対応依頼をせざるを得ない。

 

<子育て中の部下視点での体験>子供を保育園に迎えに行き、自宅で子供におやつを食べさせながら、急ぎ帰宅してしまったため、翌日の業務について確認をするためにメールを確認したところ、上司からの急ぎの対応依頼に気づく。急ぎ対応をしようとするが、子供が一緒におやつを食べようと声をかけてきたり、話を聞いて欲しいとせがむ。子供の対応と急ぎの仕事のはざまで対応に苦慮する。

 

参加者の方々から寄せられた感想

  • VR体験について

・今回VRに初めて触れたこともあり、動画で視聴することとVR体験のインパクトの違いに驚いた

・VRを社会課題の解決手段として活用する取り組みがまだ少ない中で、今回の研修は、「テクノロジーで自分たちのバイアスを壊す」ことを体現した研修だと感じた

・こういった体験を通じて既成概念を壊す研修は、とても有意義だと感じた

・VR体験は、実際にVRを体験するからこその衝撃があると感じた。こういったテクノロジーによる驚きや体験を日々の生活に上手く活用していくことが大事なのだと感じた

 

  • 研修全体を通じて

・メンバー間で自己開示がなされ、組織開発のきっかけになった

・以前、アンコンシャス・バイアスについて考えるという取り組みを進めてはいたが、社会の動きや組織の状況によってバイアスも変わっている可能性があると気づいた。継続してバイアスを考える機会を作っていきたい

・色んな視点で見え方や考え方が違うなということに改めて気づけた。コミュニケーションは取っているものの、実は考えていることが違ったかもしれない。顧客に対しても、お客様はこうだろう、という思い込みを排除してコミュニケーションを取っていきたい

・上司から見えている印象と自分の認識にギャップがあることに気付けた。第三者を含め、コミュニケーション取る機会を作りたい。組織横断でコミュニケーションを取っていこうと思う

 

人がアンコンシャス・バイアスを低減していく際には、①バイアスを知る→②自分のバイアスに気づく→③行動を変える方法に気づく→④少しずつ行動を変えていく、というプロセスが必要だと言われています。特に、①~③においては研修が有効であり、テクノロジーを活用した効果的な研修の必要性が高いと感じています。今回のトライアルを活かして、パートナー企業様と実用化を進め、正式にVR体験を活用したアンコンシャス・バイアス研修のご案内をさせていただきたいと考えています。

 

kaoru.chujo@sowinsight.com (中条 薫)

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